赤ら顔の塗り薬のちゃんとした選び方※市販薬や皮膚科でもらえる薬の特徴を解説

赤ら顔の塗り薬は原因別で選ぶべき

赤ら顔の症状は「顔が赤くなる」ということで共通していますが、その原因はさまざまです。

  • 敏感肌
  • ニキビ
  •  脂漏性皮膚炎
  • アトピー
  • 酒さ

上にあげたものだけで5種類あり、それぞれ異なる原因から赤ら顔につながっています。

赤ら顔の治療法としては、

・自律神経のバランスを整える
・保湿をこまめにおこなう
・レーザー治療や光治療をおこなう
・薬物療法

などを原因にあわせて組み合わせておこないます。

薬物療法をおこなう場合は、薬局で買える市販薬(OTC医薬品)や皮膚科でもらえる処方薬を用いて治療することになるのです。
これから原因ごとに、市販薬や処方薬のうち主に塗り薬を紹介していきますが、あげている商品名は一例であり、他にも医薬品が多くあることをご留意ください。

敏感肌による赤ら顔の場合

敏感肌の場合、日光やアレルゲンなどが皮膚に刺激を与えることで顔の赤みを引き起こしますので、刺激から皮膚を守ってあげる必要があります。

※ここでは、アトピーなどの基礎疾患がない敏感肌について説明します

市販薬

まず、日光からの刺激から皮膚を守るために日焼け止めは欠かせません。
日焼け止め自体が刺激になる・・・という場合は、肌に合う日焼け止めを探すか、日傘で日光を遮りましょう。

また、こまめに保湿することも重要です。
普通の化粧水よりは、敏感肌に向けて開発された化粧水を使うほうが高い保湿効果を得られます。

市販の塗り薬としては、高い保湿効果をもつプラセンタを含む軟膏(商品名:パルモアー)などがあります。
プラセンタによる保湿と軟膏によるバリア機能が期待できますので、それを使うこともおすすめです。

皮膚科による処方薬

ヘパリン類似物質を含む軟膏・クリーム・ローション(商品名:ヒルドイド)が処方されることが多いです。
このヘパリン類似物質は高い保湿能力がありますので、外部からの刺激をシャットアウトしつつ、乾燥しがちな敏感肌を保湿することができます。

ニキビによる赤ら顔の場合

ニキビではアクネ菌による炎症によって顔が赤くなっていますので、アクネ菌のはたらきを抑えてニキビを治すことが優先されます。

市販薬

まず、ニキビに対してステロイドは一時的に炎症をおさえるだけで、使用を推奨しないことがニキビのガイドラインで述べられています。
そのため、ステロイドを含む塗り薬(商品名:テラ・コートリル)は使用しないほうがよい です。

非ステロイド性の抗炎症薬であるイブプロフェンを含む塗り薬は、ニキビの治療選択肢の一つとなることがニキビのガイドラインで述べられています。
たとえば、メンソレータムアクネスという商品であれば、イブプロフェンによる抗炎症作用と、イソプロピルメチルフェノールによる殺菌作用の両方が期待できるのです。

皮膚科による処方薬

ニキビのガイドラインでは、クリンダマイシン過酸化ベンゾイルを含む塗り薬(商品名:デュアック)を用いることが強く推奨されています。
クリンダマイシンの殺菌作用および抗炎症作用と、過酸化ベンゾイルの殺菌作用でアクネ菌のはたらきを抑え込むことができるということです。

脂漏性皮膚炎による赤ら顔の場合

人間の皮膚にはマラセチアという真菌(カビの一種)がわずかながら存在しています。
皮脂をマラセチアが分解してできた産物が皮膚を刺激して脂漏性皮膚炎を起こして赤ら顔を引き起こしますので、マラセチアのはたらきを抑えることが重要です。

なお、マラセチアはニキビの原因となるアクネ菌とは大きく異なるものですので、治療法はニキビとはまったく異なるものになります。

市販薬

脂漏性皮膚炎の治療にはステロイドを含む塗り薬が以前は用いられていましたが、真菌であるマラセチアがかかわることが知られてきましたので、抗真菌薬による治療が主流です。

そのため、市販のものでは、抗真菌薬であるミコナゾールを含むシャンプーやせっけん(商品名:コラージュ)などを皮膚炎の起きている場所にあわせて使用することがよいですよ。

皮膚科による処方薬

抗真菌薬であるケトコナゾールを含む塗り薬(商品名:ニゾラール)が使用されます。
ステロイドと比較すると効果があらわれるのが遅いものの、再発が少なく、副作用も少ないことが報告されています。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、悪くなったり良くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が主な症状の皮膚疾患です。
皮膚のバリア機能の低下や、外部から侵入するアレルゲンに対するアレルギー反応によって赤ら顔になってしまいます。

そのため、皮膚のバリア機能を復活させて、アレルギー反応をおさえることが重要です。

市販薬

アトピー性皮膚炎ではバリア機能が低下していることから、先に説明した敏感肌による赤ら顔と同様に「日焼け止めで日光から皮膚を守る」「保湿して乾燥から皮膚を守る」ことが大切になります。

また、かゆみがひどくて顔が赤くなっている場合は、飲み薬ですが、抗ヒスタミン薬であるフェキソフェナジン(商品名:アレグラ)等を含む薬も有用かもしれません。

とはいえ、アトピー性皮膚炎は慢性化しやすく、市販薬でコントロールが難しい疾患です。
早めに病院で処方薬をもらって適切な治療をすることをおすすめします。

皮膚科による処方薬

アトピー性皮膚炎では、アレルギー反応や炎症を抑えるためにステロイドの塗り薬が用いられ、有効性と安全性が科学的に十分に検討されています。

ステロイドについて、「重症度にあわせてステロイドを十分量塗り、症状が軽くなったら少しずつ減らして最終的に中止することで有効性を最大化することができる」ことがアトピー性皮膚炎のガイドラインで述べられています。

軽症であれば吉草酸酢酸プレドニゾロン(商品名:リドメックス)等が、中等度以上であればベタメタゾン吉草酸エステル(商品名:ベトネベート)等が代表的です。

また、アレルギー反応を抑える作用をもつタクロリムスを含む塗り薬(商品名:プロトピック)も使用されます。

酒さによる赤ら顔の場合

赤ら顔が重症化して「酒さ」という状態になることがあります。
アクネ菌によらないニキビや、組織の過形成(顔がでこぼこになること)が特徴です。

原因が不明ですので、酒さによる赤ら顔を塗り薬で改善することは難しい現状にあります。
治療の目的は「酒さの治癒(完治)」ではなく「症状のコントロール」が主です。

市販薬

塗り薬をためす前に、まずは、症状の悪化につながる「誘因」を探して、それを避けて生活するという少し地道な治療が必要になります

たとえば、化粧品に着目すれば、「普段使っている化粧品を1つずつ減らしていく」または「まず化粧品をすべてやめてみる」等によって、原因となっている化粧品がみつかるかもしれません。

塗り薬としては、「これが効く!」と推奨される薬がない現状です。
また、酒さに関するガイドラインで「治療の選択肢の一つ」とされているアゼライン酸やメトロニダゾールは市販されていません。

皮膚科による処方薬

市販薬のところで説明しましたアゼライン酸メトロニダゾールを含む塗り薬が処方される可能性があります。
しかし、アゼライン酸は国内では未承認ですし、メトロニダゾールを含む塗り薬(商品名:ロゼックス)は酒さの治療薬として承認されていませんので、自費診療になってしまいます。

ステロイドとは?危険性や副作用について。その他Q&A

上の説明で「ステロイド」という薬が何度か登場しました。
ステロイドとは、炎症やアレルギー反応を抑える作用を持つ、特定の構造をもつ薬の総称です。

アトピー性皮膚炎などの、アレルギー性疾患に非常に高い有効性を示します。

メディアでは「ひどい副作用がある」「中毒になる」「やめると使う前よりひどい状態になる」という誤った情報がまことしやかに流布されています。
しかしながら、ステロイドの塗り薬を正しく使用している限りはそのようなことはありません。

Q1ステロイドは一時的。って本当?一生続けないといけないのか?

ステロイドの塗り薬の基本的な使用方法は、「適切な強さのステロイドを十分量塗り、炎症がおさまったら少しずつ減らしていく」ことが原則です。
それにより、もっとも安全に有効性を最大化することができるのです。

自己判断で必要以上に強いステロイドを長期に塗り続けると、赤ら顔を引き起こすことがあります。
正しく使用せずにそうなったケースによって、ステロイドの塗り薬に対する誤った認識が広まっているのでしょう。
必ず、医師と薬剤師の指示に従い正しく使用してください。

 

Q2ステロイドは妊娠中や授乳中は使わないほうがいい?

ステロイドの塗り薬が皮膚から吸収される量は、体で作られるステロイドと比べて無視できるレベルであることが知られています。
そのため、胎児や乳児への影響はありません。

まとめ

赤ら顔の原因はさまざまですので、原因にあわせた塗り薬を使用しましょう。

敏感肌 保湿をしっかりする保湿薬
ニキビ アクネ菌を抑える抗菌薬
脂漏性皮膚炎 マラセチアを抑える抗真菌薬
アトピー アレルギー反応をおさえるステロイド
酒さ 症状の悪化につながる誘因を避ける生活

また、ステロイドの塗り薬は、正しい使い方をすれば安全で有効な薬です。
ステロイドに限りませんが、メディアでの誤った情報に惑わされず、プロである医師や薬剤師の指示に従って正しい使い方を守ってくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です